ハルちゃんとナルちゃんのおいたち


嘔吐反射

ハルちゃんもナルちゃんもおう吐反射が強く、ちょっとしたことですぐに咽せ返ります。何もしてないのに急に咽せ返ったり、食事中に咽せ返ったり。お薬がのみにくくて咽せ返ったりします。ただ咽せ返るだけなら良いのですが、それにつられておう吐してしまうことがしばしばあります。空気の燕下が多く、ゲップと共におう吐反射を招くことも良くあります。

ハルちゃんは小さい頃からおう吐反射が強く、鼻注から注入したミルクを良く戻していました。ナルちゃんも自分のよだれで咽せたり、ゲップが出にくくて咽せたりしていました。何とか咽せ返るだけでおう吐までは行かないようにごまかす努力をしたのですが、過剰に押さえ込もうとすると苦しそうで可哀想です。

そんなとき少し水分を含ませてやると治まることが解りました。おう吐しそうになると水分を与えることによって、燕下の機会を与え相殺してしまうのでしょうか。

調子の悪い時にはこの嘔吐反射でご飯が食べられなくなります。調子の悪いときとは、寝冷えをしたとか、春先の花粉が多いときとか、何らかの原因で痰が絡みやすい時と言えるでしょうか。そんなときは、食事中全く気が抜けないほど「ゲホゲホ」と咽せ返っては食べたものを出してしまいます。これが長く続くと体重が減ってしまうほど悪循環を繰り返します。

これほど悪いことばかりの嘔吐反射ですが、この嘔吐反射があるから免れていると思われることもあります。それは誤嚥による肺炎です。脳性麻痺などで重複障害をもつ子どもは誤嚥することが多く、簡単に肺炎を起こします。当然、ハルちゃんとナルちゃんも誤嚥をずいぶん心配しましたが、今まで一度も誤嚥による肺炎になったことがありません。これは敏感すぎる嘔吐反射が幸いしているとしか思えません。

子どもたちは弱いなりに自分を守る術を持っているのだなぁと思いました。おう吐はしんどいし、時としてまともに食事が出来ないときもあるけれど、命を守るための術として弱いながらも生まれ持ってきた護身術だと考えています。

2004年07月13日 14:10更新